ほけんがせいかつのシゴト

保険代理店のつぶやき


 スポンサードリンク

保険のパンフレットは肝心の説明ができていない? 約款を読むか説明を求めるか

久しぶりに書きますが、今回も商品以外のおはなし。

 

保険営業の仕事をしているとなかなか商品説明というのが大変だな、と感じることがあります。

 

例えば、自動車の説明だと、パンフレットに写真があり、スペック(性能など)が書いてあるので読むことで理解し、比較できます。試乗車があれば加速や運動性能を体感もできますし、駐車場に入れるとどんな感じなのかなども確認できます。

電化製品もパンフレットやカタログで商品の概要を見ることができますので、

おおよそのことはわかります。

 

しかし、自動車保険のパンフレットを見てどう感じるでしょう。

どこの保険会社も

「相手への賠償」

「お体の補償」

「お車の補償」

の3本の補償で構成されていると思います。

 

そして、「その他特約」がそのあとに書かれ、後半部分は「重要事項説明書」となっているのではないでしょうか。

 

パンフレットをみておおおその支払い内容はわかると思います。

 

相手がある事故を起こしたら対物賠償してくれるんだな、相手の怪我も補償してくれるんだな、と。自損事故を起こしたら車両保険が「一般車両保険」なら出るんだな、「エコノミー(車対車)」では出ないんだな、更に「当て逃げも出ないんだな(保険会社によって異なるかもしれません)」というぐらいは読んで分かります。

 

しかし、実際事故が起こったときに、パンフレットを読んだだけの人がどれだけ支払い内容や支払い方法を理解しているでしょうか。

 

まず、相手がある事故だと「過失割合」が多くの場合発生します。交差点の事故だとどちらが優先か、一旦停止はあるか、運転手に重過失(居眠り・電話しながらい・飲酒など)がないかが問われます。

 

そして、過失割合が決まるとお互いの保険から過失割合分が支払われるのです。

 

しかし、パンフレットを読んだだけで「過失割合」についてどれだけ理解している人が居るでしょうか。きっと多くの人が友人や知人から聞いたり、世の一般常識という感覚で過失割合が発生するのは当たり前、とお思いになるでしょう。しかし、交通事故の経験もなく、普段そのような話をしたことがない人にとっては恐らく初めて聞く言葉ではないでしょうか。

 

信号無視なら明らかな法令違反ですが、住宅街や市街地の一旦停止から出てきた車に直進車の自分が接触した場合、「自分は何も悪くない」と思うのは当たり前かもしれません。

 

しかし、事故の場合、お互いの車が動いている以上、ほとんどの事故に過失割合が取られます。

 

以前あった事故ですが、片側3車線の真ん中を車で走行中に、道路に面した店舗から相手車が出てきました。しかし、相手車は一番左の車線ではなくまんかなの車線まで飛び出してきたのです。走行中の車はどうすることも出来ず接触事故が起こりました。

 

当てられた自動車の保険担当がつくと契約者に「過失割合」について説明しましたが、この契約者は納得できるはずもありません。どうすることもできなかったのに、という思いがあるからです。

 

しかしここに「予測・回避の義務」をもって過失割合を求められるのです。このケースは最終的に契約者の方に(なんとか)納得いただくことができ解決できましたが、一歩も譲らず長期化するケースもあります。

 

特に揉めるのが

・自分の保険料が上がるから保険を使いたくない

・車両保険に入っていない

・車両保険に免責金額を設定している

という方ではないでしょうか。

結局、自分が納得できない事故にも関わらず、何万円もの支出をしなくてはならないのですから。

 

事故が起こるとパンフレットに書かれていない(書かれていない訳ではないのですが“ざっくり”としか書かれていない)事態が起こります。約款にはそれなりには書いてはありますが、正直、わかりにくいです。特に「賠償」事故はケースバイケースの面がとても強いので、保険会社や代理店の説明しかありません。

 

契約するときにはこの「書かれていない」ことをどこまで説明できるか、が重要になります。

 

それ故に説明する側として、間違った事は言えませんから、分からないことはわからない、とはっきり言うようにしています。後日書面や電話で説明するという具合です。

 

後でトラブルになりますので。

 

結局、事故対応をどれくらい経験しているかによって、商品説明にも重みが増すように感じます。