自動車部品の故障を保険のでカバー 「パーツケア」が気になる
私も保険の仕事をしていながらなかなか取り扱う機会がないのが少額短期保険。
実はどんなものなのかもあまり詳しくありません・・・恥ずかしながら。
少額短期保険の話ではないのですが、ちょっと興味がある商品を目にしました。
一般の自動車保険の対象にならない「自動車部品の故障」を補償する保険「パーツケア」です。
この商品保販売はトライアングル少額短期保険株式会社」から2014年10月に発売されていて、今年の2月にはハイブリッド車の故障も対象にするようになったと発表されました。
それまではハイブリッド車は対象にならなかったんですね。ただ、「ハイブリッド機構」は補償の対象外のようです。
補償の対象例と修理費用の目安ですが、
・エアコンが効かない 概算修理費用 約 100,000 円
・パワーウィンドウが動かない 概算修理費用 約 60,000 円(両サイド)
・カーナビの画面が真っ暗に! 概算修理費用 約 135,000 円
・エンジンの故障 概算修理費用 約 400,000 円
・電動スライドドアが自動で動かない 概算修理費用 約 55,000 円
・ワイパーが動かない 概算修理費用 約 10,000 円
です。
特にエンジンの故障に対応してくれるのは嬉しいですね。
では加入はどんなクルマでもできるのか、というと流石にそうはいきません。
下記項目にすべて適合する自動車が対象です。
1)当社が指定する工場で道路運送車両法により義務付けられた法定6カ月点検、法定12カ月点検および法定24カ月点検を実施し、自動車が適正な状態になっていることが条件です。
(2)初度登録から12年以内
(3)既走行距離が12万㎞以内
(4)用途車種がつぎのいずれかに該当する自動車
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国産自家用普通乗用車
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国産自家用小型乗用車
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国産自家用軽四輪乗用車
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国産自家用普通貨物車
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国産自家用小型貨物車
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国産自家用軽四輪貨物車
となっています。
年数と距離は当然といえば当然ですが、更に条件となるのが「当社指定工場で法定6ヶ月点検、法定12ヶ月点検および法定24ヶ月点検を実施し、自動車が適正な状態になっていることが条件」としています。
つまり、申し込む前に「指定工場」で点検、整備をした上で申し込みが可能になります。申し込みをすると「指定工場」を紹介してくれますのでまずその工場へ持ち込むようになっています。
加入できる車は国産車に限定されていますので、外車は加入できません。国産メーカーでも逆輸入車はダメなようです。また、改造車もダメです。業務用車種も引き受けません。
しかし、国産車でも加入できない車があります。
ーカー |
車種 |
型式 | |||
---|---|---|---|---|---|
レクサス |
LF-A |
CBA-LFA10 |
|||
IS-F |
DBA-USE20 |
||||
日産 |
CBA-R35 |
DBA-R35 |
|||
三菱 |
CBA-CZ4A |
||||
スバル |
CBA-GVB |
CBA-GVF |
CBA-GRF |
CBA-GRB |
|
GF-FD3S |
|||||
ABA-SE3P |
CBA-SE3P |
スポーツカーはダメです、という事なのですね。
他にも電気自動車や水素自動車も対象外です。「日産リーフ」は引き受けてくれませんね。
では、幾らぐらいまで補償してくれるのか、ですが、年間200万円まで補償してくれます。回数に制限はありません。
修理の際に気をつけたいのが、懇意にしている修理工場やいつも使っている修理工場へ持って行っても保険の対象にはなりません。
保険を使って修理をする場合は必ず保険会社へ連絡し、指定工場へ納車しなければいけません。
この辺は、保険会社と指定工場が提携して修理内容や修理費用などの取り決めをしているのだろうと思われますし、相互利益を目的として「winwin」の関係が見えてきます。ただ、この傾向は一般の保険会社でも近年多く見られ、事故時の納車や代車について割安にする代わりに自社紹介工場へ納車してもらうよう紹介するようになってきています。
ここで気をつけたいのが、パーツは基本的に新品にはなりません。「エコの観点から信頼できる中古部品」を使うとのことです。どうしても調達できない場合に新品を使うようです。保険という目線から見て「現状復帰」という見方をすれば、そなのかな、と思いますが、修理を必要としたパーツなので少し不安も感じます。ただ、また壊れれば修理してもらえば良いのですが。ちなみに代車費用は出ませんのでご注意を。
気になる保険料ですが下の表にようになっています。
【単位:円】
年式 |
走行距離 |
排気量 | |||
---|---|---|---|---|---|
660cc以下 |
660cc超 |
2,000cc超 |
3,000cc超 | ||
4年以下 |
50,000km以下 |
12,300 |
14,300 |
20,500 |
24,700 |
50,000km超 |
18,200 |
17,100 |
34,800 |
52,300 |
|
70,000km超 |
19,400 |
20,900 |
48,200 |
55,100 |
|
100,000km超 |
23,800 |
24,100 |
62,200 |
74,600 |
|
4年超 |
50,000km以下 |
17,200 |
17,300 |
26,300 |
34,700 |
50,000km超 |
22,400 |
20,900 |
32,100 |
43,400 |
|
70,000km超 |
25,300 |
24,500 |
36,900 |
59,500 |
|
100,000km超 |
29,800 |
28,100 |
42,400 |
70,500 |
|
6年超 |
50,000km以下 |
25,100 |
25,900 |
39,900 |
34,900 |
50,000km超 |
30,200 |
29,000 |
45,800 |
55,200 |
|
70,000km超 |
34,500 |
34,300 |
49,100 |
56,500 |
|
100,000km超 |
39,400 |
38,100 |
54,200 |
70,400 |
|
8年超 |
50,000km以下 |
35,700 |
32,400 |
54,500 |
59,300 |
50,000km超 |
39,600 |
41,600 |
58,700 |
65,200 |
|
70,000km超 |
48,600 |
45,500 |
62,400 |
65,600 |
|
100,000km超 |
54,300 |
52,900 |
66,400 |
69,700 |
|
10年超 |
50,000km以下 |
66,400 |
55,200 |
107,800 |
128,800 |
50,000km超 |
80,100 |
74,300 |
106,300 |
130,400 |
|
70,000km超 |
91,500 |
81,000 |
129,100 |
139,600 |
|
100,000km超 |
104,400 |
95,900 |
135,900 |
143,800 |
年式初度登録年月からお申込み日までの期間となります。
私は自家用車が「平成20年式 ホンダ・ストリーム1800cc 現在の走行距離7万キロ超」なので年間保険料が45,500円になります。
自動車保険も年間6万円ぐらい払っているので、併せて入ると10万円超です。少し厳しいかな。
この「パーツケア」という保険ですが、一般の自動車保険のように賠償事故などは対象にならないことから、1年間に支払う保険金も最高が200万円で、初度登録12年以上の車は引き受けない、外車は引き受けない、指定工場で点検をした上での引受など保険会社も運用をしていく中でリスクを出来るだけ負わないようにしていることです。
勿論、「保険」を維持していく以上当然ではありますが、数年先にどう見直されるか興味があります。
商品として存続しているのか、保険料は上がるのか、それとも下がるのか。事故という偶然で突発的な事案を対象とする一般の自動車保険と違い、どんなに点検整備をし、引受車種を限定したとしても、部品の個体差なども原因の一つとなる故障を保険の対象にするのですから。
商品化するうえで、自動車メーカーや部品メーカーなどに問合わせたり、各指定工場と打ち合わせやデータ収集をした上で保険料を算出していると思うので、保険会社も運用できる保険料を算出していると思いますが、後は、どのくらいの人が加入してくれるのか、というとこですね。
もっと認知されれば「一度入っとこか」という人は多いと思います。