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保険代理店のつぶやき


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三井住友海上「はじめての自動車保険」 どんな保険?

新商品「はじめての自動車保険」について調べてみた

 

10月1日始期日より自動車保険「はじめての自動車保険」が三井住友海上火災保険会社から販売されます。もう契約した方いらっしゃるんでしょうか。

お得なのか?どんな特徴があるのかちょっと調べてみました。

 

 

まずは気になる保険料です。

見積もり条件

・対人/対物賠償無制限(免責金額0円)

・人身傷害 5000万円

・車両保険 一般 130万円(免責金額 10万円)

・損時諸費用

・対物超過修理費用特約

・ロードサービス有り

全年齢/家族限定なし

契約者 18歳 免許証の色 グリーン

 

という条件にしました。かなり保険料が高くなりそうです。

 

まずは「はじめての自動車保険」です。

年間保険料 381,880円

となりました。

参考に車両保険の条件を変えてみますと

・車対車(エコノミー)  288,970円

・車両保険なし      215,050円

となりました。

 

では、東京海上日動火災保険会社と比較してみました。

最初の条件と同条件ですと、

年間保険料 390,260円

でした。

差額は8,380円

さほど変わらない気が・・・。

 

ソニー損保でも試算しようとしましたが、実はソニー損保では20歳未満はネットで契約受け付けてくれませんでした。他にもアメリカンダイレクト、おとなの保険も20歳未満は契約できません。

こちらも参考ですが、

ソニー損保で20歳以上にしてみたところ、今度は上の条件では車両保険をつけられないとのこと。なかなかリスクの高い部分は避けたいということのようです。

車両保険を除いた保険料は179,640と「はじめての自動車保険」に比べ約3.5万円ほど安いのですが。

 

ちなみに「はじめての自動車保険」は3年契約です。年払いも3年長期月払いもできます。

www.ms-ins.com

 

しかし、ちょっと気になるところがあります。

 

「はじめての自動車保険」は付帯できない特約があります。

・交通乗用具特約 ・無保険車傷害特約 ・自損事故傷害特約 ・差額ベッド費用特約 ・全損時諸費用倍額特約 ・車対車事故免責ゼロ特約 ・車両危険限定(A)特約 ・車両手荷物等特約 ・運搬時レンタカー費用特約 ・レンタカー費用特約 ・日常生活賠償特約(無制限) ・ファミリーバイク特約 ・弁護士費用特約

他にも、車両の免責金額が10万円となっていますので、売る側もちゃんと説明しとておかないと後でトラブルになりそうです。

 

この付帯できない特約を見ていると気付いたのが、この「はじめての自動車保険」のターゲットです。

恐らく、「車を持つ家族と同居している」初めて車に乗る若者だと思います。家に車があれば「セカンドカー割引」で等級も7等級から始められ保険料も安くなりますし、弁護士費用やファミリーバイク特約、日常生活賠償特約はほかの家族が持っている車に特約として付ければ自分も対象になる(もうすでに対象になっている)からです。

さらに良いのは、お父さんやお母さんが持っている「等級が進んだ保険」をこの子にあげて、お父さんやお母さんは新たに保険に入るのです。ただ、その場合、年齢条件や家族限定を付けなければ意味がないので、この子はお父さんやお母さんの車は運転しないというのが条件になります。

つまり、お父さんやお母さんの車に「35歳以上限定」「本人・配偶者限定」をつけてしまうのです。

 

このように条件を限定していけば、「はじめての自動車保険」はお得感が出てくるのではないでしょうか。

 

では、「はじめての自動車保険」のウリはほかに何があるのでしょうか?

先程も触れましたが、この「はじめての自動車保険」は3年契約です。3年間手続きが不要で、安心パッケージ商品であること、つまり、分かりにくい選択肢を設けずに、初めて契約するのだからシンプルで保険料を抑えた自動車保険のご提案、という感じです。

 

ただ、契約者は「はじめて」なので自動車保険の知識は皆無でしょうし、1年間でも契約内容を忘れてしまっているのに、3年間もすると入っているのも忘れるのでは?それはないかもしれませんが、ここは代理店のフォローが大事になってくるのかもしれません。

とにかく、契約者は「事故が起こったら何でもでる」ぐらいに思っています。特に自動車保険は賠償(相手)保険・傷害(自分)保険・車両(物)保険が1つになった特殊な保険です。言った言わないのトラブルにも発展しやすく、契約者のほとんどが「個人」相手ということもあり、説明する側も契約者の生活を左右しかねないという事を自覚しないといけません。保険が出ない場合も十分説明する義務があります。

一方、契約する側も「任せておけば大丈夫」という意識は捨てましょう。疑問があれば質問し、「こんな補償が欲しいんだけど」というような希望も言ってもらえれば、もしかしたら既にあって、付いてないだけかもしれませんし、その場合は出ないんだ、という事がそこで分かります。契約者側も「自分の生活」に関わる保険を任せっきりにしておかずに、年に1度の更新時ぐらいは一から見直すことをお勧めします。

 

 

よい保険・悪い保険 2015年版 (別冊宝島 2278)

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