若者に自動車を運転する機会を増やす保険を発売 MS&ADインシュアランスグループ
MS&ADインシュアランスグループの三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険が、10月1日に、若年層カーライフ向け自動車保険を販売すると発表しました。
近年の自動車を取り巻く社会環境では「若者の車離れ」が進み、自動車を保有する若年層が減少し、それに伴い自動車保険の件数も減少傾向にあります。
今の若年層の多くはライフスタイルの変化に加え、自動車を購入したいがお金が無い、また、駐車場や自動車保険、車検など維持するのが高額で購入に踏み切れないといった声が多く、自動車メーカーも、若年層に車を購入してもらおうと様々な対策を練っている。
自動車も、都心に住むと不要なケースが多く、カーシェアリングといった利用方法も広まっており、自動車販売台数が伸び悩んでいるのが現状です。
そんな中、保険会社も自動車保険の新たな商品開発で新規契約を、という取り組みがすすんでいます。
今回三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険が販売する商品はそんな現代のカーライフや懐具合に合わせた自動車保険です。初めて自動車を購入した当初は今迄は不慣れなドライバーを見越した高額な保険料設定でしたが、既存商品よりも割安な保険料で加入できるように商品を開発しています。
さらに、自動車を保有してない人でも、知人の車を運転するような人の為に、手軽に加入できる商品も用意。若年層を中心とした広範囲な自動車ユーザーに新規加入を促進する商品のようです。
◆商品概要
「新規契約専用の自動車保険」
では「新規契約専用の自動車保険」の概要ですが、其々の保険会社でペットネームが違います。
三井住友海上火災が「はじめての自動車保険」、あいおいニッセイ同和損害が「パーソナル自動車保険」という商品名。
加入対象者は初めて自動車を保有する人です。
商品の特徴は下記の通りです。
(1)安心で分かりやすい補償:基本的な補償をベースに「車両保険」等の補償有無を選択するシンプルな補償とすることで、分かりやすく安心な商品構成としている
(2)加入しやすい保険料:既存商品と比較して保険料を割安にするなど、新規契約者が加入しやすい保険料水準を実現している
(3)初めて自動車保険を契約する人を対象とした割引制度:「借りた自動車専用の自動車保険の加入実績や事故歴に応じて「新規契約専用の自動車保険」を割引く制度を設ける。「新規契約専用の自動車保険」以外の商品であっても、割引の適用条件(初めて自動車保険に加入)を満たす場合は、割引が適用される
「借りた自動車専用の自動車保険」
次に「借りた自動車専用の自動車保険」の概要です。
こちらも其々でペットネームが違います。
三井住友海上火災が「1DAY保険」、あいおいニッセイ同和損害が「ワンデーサポーター」という商品名です。
加入対象者は、友人・知人等の自動車を借りて運転する人です。
ここで注意したいのが「記名被保険者及び配偶者が所有する車」「法人が所有する車:レンタカー、カーシェアリング等」は対象ではありません。記名気保険者=契約者や配偶者が所有する車は、常に乗る機会がある車である為、もとより保険に加入しなさいという事。そして、通常乗る機会が少ない車という前提で、乗るときにだけ掛ける保険としてリスクを考えていますので、常に乗る機会がある車のリスクまで持てないという事です。
また、「法人が所有する車:レンタカー、カーシェアリング等」については、その車自体に法人が自動車保険を掛けているはずです。法人は貸し出すことで利益を得ていますし、レンタル料金に保険料が含まれています。
レンタカーを借りる時に確認して欲しいのが、車に掛けられている自動車保険です。
最低限、対人・対物賠償は無制限であるレンタカー屋さんで借りましょう。
時々、対人賠償は無制限補償ですが対物倍賠償が500万円しかけていないレンタカー屋さんがあります。
対物賠償500万円で十分じゃないの?と思われる方もいるかもしれませんが、全然足りません。
例えば、自分の過失で自動車同士の事故を起こした場合、自己の相手の車に電子部品などの高価な部品が入っていてそれらも壊してしまったら直ぐに数千万円です。
また、踏切内で電車と接触事故を起こし電車を止めてしまい、賠償請求でもされれば数千万円では済みそうにありません。
こういうう事から、借りる車の保険も十分注意する必要があります。
続いて「借りた自動車専用の自動車保険」の特徴を下記に紹介します。
(1)24時間単位で合理的な保険/1回の契約の保険料が約500円~(予定)で、補償開始(始期日時)から24時間補償されるなど、加入しやすく合理的な保険
(2)簡便な契約手続き/スマートフォンから簡単に契約手続きを行うことが可能。1回の申込みで運転者4人まで指定でき、保険料はスマートフォンの利用料金と合わせて支払うことができる
(3)お得な割引制度/2回以上契約した場合に2回目以降の保険料を割引く「2回目から割引」や、借りた自動車を交替で運転するようなケースで、複数の運転者を1回の契約でまとめて補償する場合に2人目からの運転者に対する保険料を割引く「2人目から割引」を設ける
東京海上日動「ちょいのり保険」もある
他社にも似たような保険がじつはあります。東京海上日動の「ちょいのり保険」です。
正に商品名のとおり、ちょっと乗るときに掛ける保険です。
2012年1月に他社に先駆け発売された「ちょいのり保険」。2014年8月には利用者数が10万人を超えました。当社の扱いでも、結構利用者がいるようで、徐々に認知されつつあるようです。
補償内容は
・対人・対物賠償無制限
・搭乗者保険1000万円(一時金10万円)
・車両保険(有り無しが選択できます) 最高300万円(免責金額15万円)
・ロードサービスあり
となっています。
保険料が車両保険なしで500円。車両保険付きで1,000円(それぞれ1日間)ですから、「借りた自動車専用の自動車保険」と同じです。
注意しないといけないのは車両保険付きにしても免責金額が15万円というところ。もし、急に運転することになった友人の車が古い車で市場価格が15万円以下の場合、免責金額の範囲内となるので保険が支払われません。また、最高額も300万円なので乗る車に気をつけたほうがいいかもしれませんね。
また、「ちょいのり保険」を利用した人が新規に自動車を取得し、自動車保険に入るときに、利用回数によって割引が適用されてお得です。
ちょいのり保険の |
無事故割引率 |
|
6等級(S) |
7等級(S) |
|
5~9日 |
8% |
2% |
10~19日 |
15% |
4% |
20日以上 |
20% |
5% |
一番いいのは、友人・知人が自分の保険を使ってくれればいんですが、一昨年の10月から自動車保険の仕組みが変わり、それまでは保険を使った人も使わなかった人も同じ等級であれば同じ割引率でしたが、改定後は保険を使った人は使わなかった人に比べ割引率が少なくなりました。
例えば10等級の場合、事故なしでは44%割引ですが、事故有りの場合23%割引でその差は21%になります。割引なし(フラット)の保険料が10万円だとすれば、事故なし10等級は5万6千円、自己有り10等級は7万7千円でその差は2万1千円。これが、3年間(無事故の場合。その間にまた保険を支払う事故があれば最高6年間)続きます。
気軽に、「君の保険使って」とは言いにくいですね。
このように各社、裾野を拡げた利用者獲得の商品を開発しています。
ただ、車が売れないから、若い人は車に乗らなくなったからと言うだけでは解決しませんので、車に乗る機会を増やす意味でも良い傾向だと思います。
10月に発売される三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保の「新規契約専用の自動車保険」と「借りた自動車専用の自動車保険」。保証内容の詳細はこれから明らかになるでしょうが、使いやすい保険であることは間違いないようです。
特に「借りた自動車専用の自動車保険」は若い人だけでなく、車を持っていない人全員にとって使い勝手のいい保険となり、友人とゴルフに行った時に気兼ねなく運転を変わってあげることができますね。
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