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自転車保険 兵庫県が義務化 保険の見直しも一緒にすれば無駄がなくなる

兵庫県が全国で初めて自転車使用者に保険の加入を義務付ける条例を可決しました。

 

警視庁の統計によると、平成16年から平成24年にかけて、自転車側に過失がある事故は、年間18万件から13万件減ってきていますが、自転車と歩行者の事故は年間約2500~約3000件で推移。交通事故全体に占める割合も、交通事故自体が減少しているため、大きくなってきている。

 

 

さらに、高額賠償も増えてきており、自動車保険のように、自賠責保険のような強制保険や、加入率も高い任意保険のような保険があまり認知されておらず、加入率も低い。

 

兵庫県では、平成20年9月22日午後6時50分頃の暗くなった、神戸市北区の住宅街の坂道で、当時11歳だった少年が、ライトを点灯したマウンテンバイクで坂道を下っていたところ、知人と散歩中の女性に気付かず正面衝突。女性は転倒し、頭を強打した事故が起こった。女性は一命は取り留めたものの意識が回復せず4年が過ぎ、裁判で母親に「監督義務を怠った」として、9,500万円の損害賠償を命じました。

 

母親は、ライトの点灯やヘルメットの着用などを指導し、過失の相殺を主張したが、少年が時速20~30キロで走行し、前方不注意で事故が起こったとして母親の主張を退けました。

 

被害にあった女性は当時62歳。しかし、当時その高額な賠償金額で大きなニュースになりました。

通常、賠償金額を想像するのは、被害にあった人の逸失利益や後遺症の賠償金ですが、このケースの内訳はこうでした。

 

(1)将来の介護費約3940万円

(2)事故で得ることのできなかった逸失利益約2190万円

(3)けがの後遺症に対する慰謝料2800万円

裁判官は、(1)について、女性の介護費を1日あたり8千円とし、女性の平均余命年数を掛け合わせるなどして算出。(2)は、専業主婦の女性が入院中に家事をできなったとして月額約23万円の基礎収入を平均余命の半分の期間、得られなかったなどとして計算した。

 これらに治療費などを加え、母親に対し、女性側へ約3500万円、女性に保険金を払った保険会社へ約6千万円の支払いを命じた。特に女性が意識が戻らぬままとなっていることで、慰謝料などが高額となり、賠償額が跳ね上がったという事です。

過去の高額賠償自転車事故

  • 男性が横断歩道で女性と衝突、女性が死亡した事故で、6779万円の賠償命令
  • 男子高校生が横断歩道でオートバイと衝突した死亡事故で、4043万円の賠償命令
  • 男性が信号無視で交差点に進入し女性と衝突、女性が死亡した事故で、5438万円の賠償命令
  • 男子高校生が車道を斜めに横断し男性に衝突、男性に障害が残った事故で、9266万円の賠償命令

ただ、子供とは言え、11歳という年齢から親がどれほどの責任を負うのか、という議論もありましたが、賠償責任を負うことは事実。中には自己破産をしてしまうケースもある。そうなってしまうと、被害者側も賠償金を受け取ることができなくなってしまい、どんなに裁判で頑張って高額賠償を認めさせても、実際はほとんど受け取ることができなくなることも想定されます。

その為に、とは言いませんが、自分のためだけではなく、結果的には被害者を助ける目的もあり、自転車保険の加入の義務付けは勧めていってほしいものです。ただ、今回制定された制度は罰則などがないため、これからの広報活動と、割安な保険料をによる加入の拡大を進めないといけません。

兵庫県が案内する自転車保険は、保険料が年間1,000円から。保証の内容は個人賠償責任保険の対人・対物賠償支払限度額が5000万円、2,000円と3,000円のプランでは、対人・対物賠償支払限度額が1億円で、加入者の傷害保険も付帯する。オプションで「示談交渉サービス」も付けられる。

 

最近は自転車も自動車と同じ進行奉納には知らないと、警察に捕まったり、無灯火でも警察に止められます。都心部では自転車レーンなども設けられていますが、実際は縦横無尽に走る自転車。歩道でも結構なスピードで走って危ないことこの上ありません。

過失も、自転車対歩行者であれば当然自転車の方が過失が問われます。

また、信号無視をして侵入した際に、自動車と接触した場合でも、信号無視をした自転車の方が過失を大きく問われるケースもあります。自転車だから車のほうが悪いに決まっている、などと思ってはいけません。自転車は『車両』なのです。そして、信号がある交差点では、歩行者であれ、信号無視をしたら、過失を問われるのは当然です。

昨今、権利主張をし、自分の過失を認めない人が多くなってきていますが、保険の認定や裁判の判決では過失相殺されるケースがほとんどです。

そうなれば、過失割合分は相手に支払わなければなりません。自動車と接触したのなら、自動車の修理代の自転車運転者の過失分が相手から請求されます。

では、それをどうやって支払うのか?という事になりますが、自転車保険に加入していれば、対物賠償として支払うことができます。でも、保険に加入していなければ自腹で支払わなくてはなりません。

自動車の修理代は結構高いものです。そして、対人賠償となれば、100万円単位の保険金支払いになってしまいます。

治療費、交通費、休業損害、慰謝料、後遺症が残れば大変な金額になりますし、要介護となれば、将来に向かって試算されるので、あっという間に1000万円超です。

 

では、どんな保険と保証内容があるのでしょうか。

兵庫県交通安全協会が取り扱う団体契約の保険の内容を紹介しました。

他には、三井住友海上株式会社が販売する「ネットで保険@サイクル」という商品があります。これも、先程の団体保険とさほど変わりませんが、自分の怪我の保証の範囲を、本人のみから家族まで範囲を広げるプランがあります。家族で自転車を使う家庭では良いかもしれません。セブンイレブンで取り扱っていますので、気軽に手続きできそうです。また、au損保も自転車保険を取り扱っていて、スマートフォンから手続きできる手軽な保険もあります。

 

ただ、これらは殆ど賠償支払限度額が1億円。まあ、1億円あれば、たいていの事故はカバー出来そうですが、もし、ぶつかった相手が、まだまだ若い一流企業の役員や開業医だったら、1億円では心許ないでしょう。

 

そこで、もっと保障額を大きく、そして手軽に、という事で、一番一般的なのが自動車保険に特約として付帯することです。最近は支払限度額が無制限(国内・海外1億円)で示談交渉サービス付きの個人賠償責任保険があります。火災保険でも付帯することができます。長期契約の場合、無制限にできない場合がありますのでご注意。

その他では、傷害保険に付帯したり、また、クレジットカードにも元々付いているかもしれません。お子様がいらっしゃる場合は、学校で、任意で保険加入を募集している場合があります。その中に個人賠償責任保険が付帯されています。

 

保険の対象になるのは、「本人、本人と配偶者、本人と同居の親族か別居の未婚の子」が対象となります。別居のおじいさんおばあさんや、結婚して本人と別に住んでいる子は対象となりません。

 

自転車だから大丈夫なんて思わないで、そして、自転車も安全運転で。でないと大変な賠償金を支払うことになります。